は眠っていた。
眠りながらも頭のどこかで、自分が空に思いきり腕を広げて
(金色の日光になにかねだるみたいに)(日光が指の先を髪のようにほろほろと零れる。)
深くまくらの底に潜り水に足先を浸している
(地底湖を跳ねるようにね。)

のを感じていた。
自分が果てしなく大きな存在になると同時に、
ひとつの無機物

のようなものに変化
する
のも感じていた。



眠ったまま、
体中が呼吸し、光を吐き出している。

とても


とてもあたたかくて、

優しい鼓動を指先から髪の毛いっぽんいっぽんまでが脈打って
いる
のを感じていた。
自分が溶け出してゆき、
自分にすべてが吸収されてゆく感覚。

全身で脈打ち呼吸し、空に手を伸ばし水を呑む。
ああ
でもなぜだろう、
あの
金色に腕を

伸ばす


だけ、


私は目を覚ましている気がするのだ。
(あああお願いどうかさいごに)


30.再構築




20070429/