拝啓極東の君へ
吹雪。吹雪である。
決して天JOINではない。雪がたくさん風と共に激しく吹き荒ぶ大自然の驚異、その吹雪である。どれくらいの吹雪かと言うと、外に出る。30秒じっと待つ。風上がわの体にびっしり15センチほど雪が積もる。そんなかんじである。
大自然って恐ろC!積雪何メートル?そんなこと知るか、というか、
「なんで私やねエエエエエん!!!」
は叫んだ。思い切り叫んだ。口の中に雪が入って思い切り咳き込む。
ここはセントラルからは程遠い、極東司令部である。寒い。ぶっちゃける必要を感じないほど寒い。一面白。真っ白白である。敵が来てもすぐ分かりますNE☆なんて慣れない現実逃避を試みていられたのはほんの数日だった。吹雪ひどい。前、見えない。
いっそ殺して、いや凍らせて。それがまさに今の彼女の心からの叫びであった。
「なんで私が!私が左遷やねエエエエん!!…って、ふがふっぺっぺっ!」
また雪を食ってしまったようである。大きなくしゃみをしてから、は足踏みをした。
すべての結果には原因があるならば、今まさにが凍えるような思い+減給地方左遷、セントラルでのブリリアントな思い出、プライスレス☆な目にあっている原因は確実にあの男であった。なんで人事部の人間が左遷されとんねん、という彼女のもっともなご意見は国家権力の前にはあってないに等しい。
彼女を彼女が敬愛してやまないアームストロング少佐と大親友リザ・ホークアイ中慰と離れなければならなくなったのも、すべて、やつのせいだ。大して仲が良いわけでもないのに、なぜペアで移動なのだ左遷なのだ。
「わけわからんのじゃアアアアアア!!げふっがはっ!ぺっ!ぺっ!ちべたい!ぺっ!」
「君はまったく学習しないね。」
出やがったな疫病神もとい元凶。
「現れたな湿気ったマッチの元・大佐!」
「がびん!」
あらわれたロイ・マスタング(もうぶっちゃけ階級的に大佐じゃない^▽^)は、自分でそう効果音をつけて叫ぶと雪の中に膝をついた。そうしてチラッとを見上げて切なそうな顔をする。
「…君その呼び方は止めてくれないか。」
「だって湿気ってるマッチ状態じゃないですか元・大佐は今まさに。」
「がびん!」
再び自分で効果音をつけてうな垂れるさまは、でなくてもかなりイラッとする。
ふふ、いいツッコミだよ…。膝をついた彼の頬に光るものが伝う。氷柱でもあたったんじゃねぇの?ももはや投げやりである。
「君がまさかこんな遠くまで私を追ってきてくれるとは…くっ!」
男冥利に尽きるといいものだよ、。
「いや、大総統命令ですから。」
「がびん!」
「それに少佐とリザにも頼まれましたからね。」
「え?」
「芯まで湿気ないように気をつけろ、って。」
吹雪は止まないのである。ついでに男のだらしがない子供みたいな笑みも。
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