ー!」
オレンジと黒の光と影。遊具の形。ブランコが軋んで風に揺れてる。
赤い花。手に持ってその子はそれをじっと弄ってる
声にはまだ気づかない。

!どうしたんだよ!」
「…美鶴くん。」

振り返ったのは、

、さん…?」


大人だ。
きれいな横顔。
橙の影が頬に落ちてる。

「ねえ君は。」
真っ赤なカーネーション。
その手のひらのなか。
さんの背は高い。
長い影が背中の方に伸びてた。
優しい微笑。凍えるような。

「君は、」

その口が何かを言おうとする。なにか。なにかおそろしいこと。



「なぜひとりではいられないの?」

影が膨張する。光が消える。




(噫。)
俺は恐ろしい、おそろしい。
夜が来る。星もない夜が。



08.夕焼けのその後にくるのは