吐き出す言葉は歪に鋭く尖っては人を傷つけてばかりだ。一体あとどれくらい歩き続けたのならこの角は磨り減 って丸くなるのだろう。ありがとうの一言でさえ言うことができないのだ。それがセブルスには、泣きたくなるほど悔しいのに、目玉はすっかり渇いていて、涙なんて出ない。いったいこの悲しみをどこに吐き出せばよいのだろう。
優しい人間になりたかった。優しい優しい、人間になりたかった。
彼は、虐げる人間にも見て見ぬふりの人間にも影でやさしくする人間にもなりたくなかった。セブルスは、そう、あの翻る真紅と黒のようになりたかったのだ。あの燃えるような、緑と黒とに近付きたかったのだ。少しでも、少しでも。
そして、そのふたりに 、ありがとうのことばを、つたえなくてはならない。それから、ごめんなさい、のことばも。
ごめんなさい、うそなんだ。 助けてと頼んだ覚えは無いなんて、ちがうんだ、いつだってだれかに、だれかにたすけてほしかった。ほんとうは、あんまりほっとして、ないてしまいそうだったんだ。
今更になって、とあなたたちはわらうだろうか。
眠る前に神様に懺悔します。
>>20070408つづきます。