「…すまない、」
俯き加減にぽつりと呟いたジューダスの顔はほんのりと赤い。
「僕の手は、…その、酷く冷たいだろう。」
眉を顰めて彼は悲しく笑った。その笑顔には握る手に力を込める。彼女の唇が動いた。
「ここでさぁ、」
間の抜けるなんと も陽気な声音だった。
「普通の女の子なら、手が冷たいのは心が優しいからなんだ よ…とか言ってにっこり笑顔となるんだろうけど、そりゃ100パーセント迷信だね !」
自信満々に踏ん反り返るを、ジューダスは目を瞬かせながら眺める。それをなんだか楽しいような気分で、は眺めてた。そうして話を続ける。
「だってこんなに心優しい私の手はめちゃくちゃあったかいもんね!」
ほら!ジューダスの指にますますは自分の指を絡めると言う。ジューダスのあからさまに呆れの混じった視線ももろともせずは豪快に笑った。
つられて小さく笑ってしまったジューダスは、ふと自分の指先にぬくもりが宿っているのを自覚して胸がつかえるのを必死に堪えた。
はまだ笑っている。
(私の命を分けてあげるよ。)