「復唱!こたつには魔力があるッ!!」 「「こたつには魔力がある!!」」 コタツ争奪戦を制したのは双子とだった。 父親は羽根つきを与えると六男を引っ張って外にかけていったし、 母親とジニーとは共謀して、鍋ともちで手を打つことにし、 長男次男はセイリュウという日本のドラゴンを餌にして、文献を押し付けたし、(こんな簡単に行くとは思わなかったけど) 三男は彼女をネタにゆすってしまえば楽勝だった。 結局、隠れ穴に日本文化を持ってきた張本人と四男五男がコタツを手に入れ、 それを自分たちの部屋に持ち込んだのが今現在。 部屋の大半をうめつくしたそれの上には山のように置かれたみかんが存在していた。 「隊長、もう入っていいですか!?」 「待てい!靴を脱げぇえ!!」 「隊長、脱ぎました!」 「よくやった、ジョージ!・・・いざ、参る!!」 隊長とは言わずもがなのことであり、 なぜこんなにテンションが高いのかということについてはツッコミを入れた方が負けということである。 かくして、三人は魔の境地へと足を踏み入れたのであった。 「「隊長!」」 「なんだ隊員?」 「なんですか、このふんわりぬくぬく感は!?」 「それがコタツというものだ、フレッドよ!」 「隊長、もう一歩も出たくないです!」 「ばかやろおおお!さっそく、コタツの魔力に取り憑かれやがって!!」 「「すいません隊長!」」 双子は初めて体感したほのかなあたたかさに、は久々に味わう懐かしさに、それぞれテンションも急上昇だ。 三男あたりが、「うるさいぞ、勉強できないだろう!!」と怒鳴り込んできそうなものだが気にしない。 ネタは、まだある。(部屋の体感気温が一度下がった!) 「しかし、一つ聞きたいことがあるのだが」 「「は!何でしょうか、隊長」」 「我々がお答えできることならば」 「我らが隊長には全てお答え致しましょう」 「至極簡単だ。 ・・・なんで君ら、私と一緒の穴に入っているのかな?」 説明しよう! 双子はの両脇に座り(更に詳しく説明すると、ジョージ、、フレッドの順) 四方あるはずの所を1カ所で済ませてしまっているため、 いくらなんでもせまいだろうがこのやろう、ということだ。 説明終わり!(一部私情がはさまれてしまったこと、お詫び申し上げる!) 「そりゃあ」 「「いつでも手を伸ばせるところにいたいからね」」 フレッド・ジョージのかいしんのいちげき! はダメージをうけた!! (心は高鳴り・・・・かけた) 「じゃないと」 「「いたずらさえもできないもんね」」 双子は顔を見合わせていった。 は高鳴りかけた心を元の場所にしまって、臨戦態勢になる。 「くらえ、ミカンの汁攻撃!!」 「「うわ、ネーミングセンスない!!ていうか、痛っ!!」」 のみかんをつかったはんげき! フレッド・ジョージはめのいたさをうったえた!! HPが5さがった! 端から見ればなんともアホらしい光景だが、本人達は至って真面目だ。大真面目だ。 どうか生暖かい目で見守ってやって欲しい。 「・・・隊長、そりゃないよ」 「地味に痛いし、みかんくさい」 「つべこべ言うでないよ、ほらさっさと他の穴にはいらんかい」 が二人を急かすようにぺしんぺしんと尻を叩いた。 「いやーん」 「のエッチー」 「・・・野太い声で言われてもね・・・」 はあるいみダメージをうけた! 「でもさ、固まってる方があったかいじゃん」 「コタツももちろんあったかいけどね」 「「だからもうちょっとだけ」」 りょうわきからのおねだりこうげき! はあらがえなかった!! (こんなときだけこいぬのような目をしやがって・・・!) 「・・・あとちょっとだけね」 「「さっすが隊長!」」 (でもあとちょっとたっても動かなかったら、またミカンの汁くらわす!) コタツをめぐる戦いはまだ始まったばかりだ。 (しっかし、鈍いよねえ・・・) (やっぱ、誤魔化したり遠回りしちゃ駄目か) なにやら別の戦いも進行中らしい。 |